nihimotoの日記

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陸前高田にレーベン号に乗って瓦礫の片付けに行ってきました@2011年10月

ボランティアは家に帰ってブログを書くまでがボランティアです。と、エライ人が言いました。ということで件名のことについて書きます。ボランティア未経験者向けに様子がよく分かるように書いてみたいとおもいますので、ちょっと長くなります。


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10月1日にボランティアバスのレーベン号に乗って陸前高田へボランティア活動をしに行って来ました。参加させていただいたボランティアバスのレーベン号さんは、下記のブログで運営の報告や案内などしてらっしゃいますので、ぜひ一度御覧ください。


☆ボランティアバスで復興支援(つくば・東京発東北行き)運行中!☆ By レーベン
http://rebencorporation.blog.fc2.com/


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ボランティア活動の前日、金曜日23時30分に東京の日比谷駅、帝国ホテル前に参加者の皆さんが集合しました。(つくば集合コースもあり)
私は15分くらい前についたのですが、行ってみるとすでにボランティアに参加される方々が集まっていらっしゃいました。顔見知りの方同士がわいわい話していたり、一人&初参加の方でしょうか静かに出発を待っている方々もいます。


バスはこんな感じです(写真は翌日に撮影したもの)



気合の入った車体のメッセージに、参加したボランティアの方々や被災地からのお礼の言葉などがバス全体にびっしり書きこまれていて、とても目立つバスです。このバスで震災直後から被災地を毎週毎週往復し続けているそうで、この運営自体もボランティアでやっていらっしゃるそうです。


と、いうことで、自分も顔見知りの方と喋ったり、初対面の方と喋ったりしている間に出発時刻になったので東京を出発して、一路陸前高田に向かいます。
バスの中では、サービスエリアに何度か止まった以外は大体寝てました。翌日のために体力を温存します。


翌朝、バスの中で朝日を見て周りが明るくなって来ました。
もう少しで陸前高田というところで、参加者の自己紹介タイムということでマイクが回されて一人一分くらいで自己紹介しました。聞いてみると色々なバックエンドの方がいらっしゃいますね。特に十数回も被災地に行ってる方が結構多いのには驚きました。また、私と同じように初めて行くという方ももちろんいらっしゃいました。


さてさて、そんなこんなで、陸前高田のボランティアセンターに到着です。
センターへの道の途中で見えた気仙沼、陸前高田の光景には驚きました。が、そのお話はまた後で。


ボランティアセンターは、広めの空き地にプレハブが数件ありバスが十数台止まって、ボランティアの方々やセンターの方々、果てはテレビカメラに寂聴さんまで(本当にw)いてとても賑わってます。
このボランティアセンターでは、毎日たくさんくるボランティア団体と、ボランティア作業をお願いしたい依頼主の方々とのマッチングをやっていらっしゃるそうです。なので、その日やる作業は朝ここでマッチングしてもらうまではわからないみたいです。マッチング作業はレーベン号の代表の方がやってきてくれたので、私達参加者はその間少し待っていたり着替えをしていたりしました。


その後、センターの方がバスの中で作業の注意点などを説明してくれるのでそれを注意深く聞きます。蜂がでるので長袖長ズボンで、とのこと。また釘など危ないので、必ず長靴で踏みぬき防止用の金属繊維の中敷きを使う、とのこと。さらに、マスクも必要。
他にもいろいろ細かい説明をしてくれるので、ここできっちり説明を聞いておけば安心して作業ができます。


※ちなみに、自分は上記のものがなかなか揃えられなかったので、渋谷の東急ハンズに行ってみたら「ボランティア作業セット」ということで、まとめて一箇所で売っていました。これから始める方はハンズおすすめです


と、いうことで配っていただいた朝ごはんを食べながら作業場所に行きます。
本日の私たちの作業場所はこんな河川敷でした。



広ーい河川敷です。地名で言えば気仙川、という川です。
ここは津波に一度飲み込まれた場所で、津波が引いた後に残された瓦礫を片付けてほしい、というお話でした。


と、いうことで、活動開始です。
みんなで周囲に散って瓦礫を拾い・・・



どーん。



と、作業終了時にこうなりました。


作業時間は朝の10時くらいにスタートして、12時にお昼ごはん休憩、15時まで作業する感じでした。
河川敷一帯に、屋根の瓦の破片やガラスの破片、家財道具や木片、衣類等の細々したものたち、そういったものが散り散りになっていますので、それらを丁寧に一つ一つ袋や猫車使って集めて、一箇所に集めていきました。


作業終了時にはごらんのとおり結構な量が集まりましたが、それでも河川敷全体から見ればほんの一部です。どう見てもこれは人力で何とかするしかない作業なので、これからたくさんのボランティアの人たちが入って少しずつ少しずつ片付けを進めていくんだろうなと思います。


ちなみに、他のベテランの方から聞いた話ですが、今回河川敷をやったのですが、これまでは居住地区を中心にやっていたそうです。陸前高田ではようやく居住地区周辺は片付けが終わり、居住地以外の部分にようやく手が付けられるようになってきた、という段階のようです。現地の経済活動をするには、居住地区以外の経済活動をする場所も片付けないとどうしようもありませんので、これからも片付けをする場所は山のようにあるんだろうな、と想像できますね。


さて、こんな感じで作業を終えバスに戻り着替えや借りた道具の返却などを済ませた後は、気仙沼のホテルの温泉に向かいました。ホテルの方が好意で温泉を貸してくれているようですね、ありがたい限りです。


ということで、気仙沼の街の中を通ってホテルへ向かったのですが、当然バスの中からは気仙沼の街並みが見えます。見てみると・・










前から着ている方は、これでも片付けが進んでいる、とおっしゃいますが・・まだまだ先は長そうですね。
仙台空港復旧しました!みたいな、めでたい変化のあったことを報道ばかり見ているとつい忘れてしまいますが、復旧したことがニュースになるということは復旧できていないところが山のようにある、ということを忘れちゃいけないですね・・


その後温泉に入りバスに乗って19時くらいに気仙沼を離れました。
その後朝の3時くらいにつくば着、その後5時くらいまでバス内で始発が出るのを待機、朝電車で帰宅して7時くらいに家につきました。


と、いうことで、ボランティア活動一日の報告でした。
いかがでしょうか、様子が伝わりますでしょうか。
体的には河川敷で体を数時間動かしただけなので、そこまできつい作業ではありません。今回の参加者にも女性もたくさんいらっしゃいましたので、力のある男性しかできないんじゃないか・・とかそういった心配は無用だと思います。道具類も東急ハンズいけば数千円で揃います。


興味のある方はぜひぜひ行ってみてください。
ボランティアセンターを出るときに、現地の方々が笑顔でありがとうって言いながら手を振ってくれていたのが、実に嬉しかったです。やりがいありますね!


※もし他にもどんな感じか聞いてみたいとかありましたら、@nihimotoまでお気軽にどうぞ。


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さて、ここから先は@nihimotoの個人的感想です。
あんまりまとまってないので箇条書きで失礼。


・これまでお金やネット越しの支援は多少はしていたつもりでしたが、実際に体を使って手伝いができたのはよかったです。活動できた時間が意外と短かったのがもったいないと思いましたが、誰もが参加できるボランティアというのを目指すため、うまくまとめているんだなと思いました。


・今回「瓦礫」の片付けということで、結構気軽に考えていました。が、行って片付けてみて思ったのは、「瓦礫」って言っても、その瓦礫は震災前は人の家だったり家の中にあるものだったり、誰かの持ち物だったりするんだと。更に言うなら、遺品である可能性も高いわけです。
ぬいぐるみや、バレーシューズ、老眼鏡、オリンピック記念メダル?、写真やフィルム、色々なものを拾いました。そういうものを拾うたびに、どんな人のものなんだろうなぁとかこれを使っていた人は生きているのかな、とかどうしても考えてしまいます。


・「片付け」という言葉も行く前と後では印象が変わりました。行く前だったら「片付けできたんだ、よかったね。じゃぁ復興まであと少しだ」みたいな印象を持っていましたが、陸前高田の「居住地区の多くが片付けられた」状態を見ると、とてもそんな印象は持てませんでした。
「片付けた」ということは、要するに跡形もなくなることなんだな、と。まっさらな更地になった街を見て、「片付けられてよかった」なんて単純にはとても思えませんでした。


・今回はじめて現地入りしたのが震災から半年経っての事です。また、自分の直接的な知り合いは、今回の地震、というか津波の影響を誰も受けていません。何が言いたいかというと、自分のこの感想は、あくまで命の危機のさった、事後を見た感想に過ぎないということです。また、今回やったことは経済活動への貢献であって、人命に対する貢献ではない、そんなことも思います。
震災初期の食べるものにも困るような状況や、誰それが死んだ、誰それが見つからない、そんな時期に現地を見ていればまた感じることも違ったんだろうなと思います。
レーベン号のバス外装に書いてある書き込みはそんな初期の頃に書かれたものもたくさんあるように思いました。バスに書きこまれた順繰り目を通していて、そんなことを考えていました。


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ということで以上感想でした。


最後に運営のレーベン号の方々ありがとうございました。おかげ様でボランティアに安心して参加することができました。また、参加させていただきたいと思いますし、このブログを見て少しでも参加者が増えてくれることを祈っております。


ではでは。